人は皆雨が降ると

傘をさす

雨は空から垂れ下がるガラス玉のネックレス

雨は虹のキャンバスになる

アタシは傘をさす

電車の窓ガラスに突如うつった寝癖のようで

月曜日に背負う重たいリュックのような暗い感情から

自分のこころを守るために

アタシは傘をさす

オレは傘をさす

はじめてあげた小さいブーケのドキドキや

好きな人の左手薬指にあるキラキラしたモノから

溢れる気持ちを隠すために

オレは傘をさす

わたしは傘をさす

ブランコで遊び疲れて帰ってくる子供がわたしを探すときの目印になるように

友達とのおにごっこの話をしてくれる子供とのんびりとした時間を過ごすために

わたしは傘をさす

ぼくは傘をさす

友達が濡れてしまわないように

大切な人を守れるように

そして青空が広がって虹が見えるようになったら

ぼくは傘をとじる

 

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