ラブコメと現実

私はミナ。今日から念願の海外旅行。

飛行機ってけっこうたくさんの映画があるんだな。

何見ようかな

そういえばラブコメって今まで見たことないな。

よし、これにしよう!

機内サービスでもらったオレンジジュースを飲みながら、映画を再生し始めた。

学校の前を歩く美女が現れる。

「私の名前はサナ。ごくごく普通の高校生。

今日は待ちに待った入学式!気合入れていくぞ!」

「あっ!!」

校門の段差につまずいちゃった。

初日から皆の前で転んじゃうの私!?

と、思ったその時、ふわりと誰かに抱きとめられた。

「大丈夫?」

上からきれいな声が降ってくる。

どうやら助けてもらったみたい。

見上げるとそこにはイケメンがいた。

「あ、ありがとうございます!!」

私は立ち上がり、お礼を言った。

「いえいえ。でも君、初日から目立っちゃったねー。」

「そうそう、俺リンっていうんだよろしく、君の名前は?」

「あ、私サナっていいます。」

「サナ?かわいい名前だね。」

この出合いから私達の恋は始まった

ゲホンゲホン

思わず飲んでいたジュースが気管に入ってしまった。

初めて見たラブコメに私は衝撃を感じていた。

こんな青春普通ないよ!ごくごく普通の高校生だって?絶世の美女でしょ。

なんだか映画とは違う現実に無性に悲しくなってしまった。

そんなことを考えていると目的地に着いた。

映画を止め、荷物を持ってトボトボと飛行機から降りていくと、

「あっ!!」

段差に躓いてしまった。

ぼーっとしてて気づかなかった、旅行初日から怪我するなんていやだよー

と、思ったその時

誰かに抱留められた

えー!さっきの映画と同じ展開じゃん!

期待をしながら上を見ると

CAのおばさんがにこやかにこちらを見て、

「段差には気をつけてくださいねー。」と言った。

な、なんだぁ。

「ありがとうございます。」

イケメンジェントルマンじゃなかった

まぁ、怪我しなかったからいいか

 

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